A1 (薬局薬店で販売されている市販薬と医療機関で処方される薬は、どう違いますか?)

*市販薬・一般用医薬品・・・街の薬局や薬店で販売されている薬や置き薬(配置薬)
市販薬は、カゼや食べ過ぎなどの比較的軽い症状に対して、自分の判断や薬局薬店で相談して購入して用いる薬です。そのため、医療機関で投薬されたり、処方せんをもらって薬局で調剤してもらう医療用医薬品に比べて比較的作用が穏やかで、安全性が高いものとなっています。また、多くの人の同じような症状に対応できるよう、何種類かの薬が組み合わされて一つになっているのが特徴です。
例えば、市販薬のかぜ薬は「総合感冒薬」と言うようなものが多く、熱を下げたり痛みを止める薬(解熱鎮痛薬)、咳を止めて痰を切る薬(鎮咳去痰薬)、喉の痛みや腫れを取る薬(消炎鎮痛薬)、鼻づまりや鼻水を抑える薬(抗アレルギー薬)などに加え、抗アレルギー薬の副作用である眠気を抑える薬や、解熱鎮痛薬の副作用である胃を荒らすのを抑える薬なども入っています。

*医療用医薬品・・・医療機関で処方される薬
医療用医薬品は、医師や歯科医師が診断し、その時の病状や患者さんの体質などに合わせて、最も適したくすりを選んで組み合わせて使用する薬です。そのため、基本的に一つの薬には一つの成分しか入っていないものがほとんどです。カゼの場合も、その症状に合わせて、多くの薬の中から必要な薬を必要な量だけ処方して使用します。また、市販薬に比べて作用の強いものが多く、指示を守って飲むことが重要です。

市販薬は、誰でも買うことが出来ますが、医療用医薬品は医師・歯科医師の指示や処方せんがないと手に入らないものが多くなっています。

A2 (医療機関でもらう薬は種類が多いようですがどうしてですか?)

市販薬は色々な成分を配合して1錠や1包にしているのに対して、医療用医薬品の場合は成分毎に錠剤やカプセルなどになっているため、たくさん出ているように感じられると思われます。
また、薬の進歩と治療法の進歩により、例えば、高血圧の治療でも血圧を上昇させる作用のある神経を弱める薬、身体中のナトリウムを排泄させる薬、血管に直接作用して血管を広げる薬、興奮して血管が収縮しないよう気持ちを静める薬など色々な作用の薬を併用します。
これは、一つの作用だけを持つ薬を使用するより効果も上がり、ある薬だけを多く使うより色々な面に作用する薬を少量ずつ使う方が副作用の発生を少なくできるからです。
また、副作用の発生を抑えるための薬や、付随して起こる色々な症状の治療薬なども併用するため、どしても種類が多くなります。
しかし、出された薬を自分勝手に判断してその内のいくつかだけ飲むと言うことは止めましょう。
副作用を抑えるための薬を飲まずに副作用が出たり、治療の中心的役割を果たす薬を飲まない可能性もあります。
また、医師は、きちんと飲んでいると思って処方しますので、それで治療効果が上がらないと、より作用の強い薬を出したり、量を増やしたりすることにもなります。あるいは、別の病気かもわからないと、薬を変えることも考えられ本来の治療目的と違った結果も予想されます。
多すぎて飲めない場合は、投薬または処方せんをもらった医師に良く相談してください。

A3 (医療機関で薬を処方してもらう場合どんなことに注意したら良いですか?) 

医師や歯科医師から、最も効果があり安全な薬を処方してもらうためには、医師や歯科医師に正確な情報を提供することが重要です。その場合、診断を下すのは医師や歯科医師ですので、自分勝手に診断するのではなく、症状を正確に告げることが必要です。

問診などで聞かれるとは思いますが、次のようなことについてお話しすれば良いでしょう。
  ・仕事の種類とか、生活リズム(起床、就寝、食事の時間帯など)
  ・飲酒や喫煙の有無
  ・過去にどんな病気をしたか
  ・常用している大衆薬があればその薬の名前など
  ・他の医療機関を受診して薬をもらっていればそのこと
  ・薬の副作用を経験したことがあるかどうか
  ・食べ物や化粧品などでアレルギーを起こしたことがあるかどうか
  ・親兄弟に喘息やアトピー、過敏症などの体質があるかどうか
  ・妊娠中、授乳中の場合はそのこと

薬が出されたら、薬の名前や飲み方などについて、医師、歯科医師、薬剤師から説明されるのをよく聞き、わからない点があれば納得するまで説明してもらいましょう。

A4 (薬局薬店で薬を買う場合どんなことに注意したら良いですか?)

市販薬を買う際は、薬局薬店でよく相談して買うということです。薬局薬店では診断はできませんが、症状を説明すればどのような薬がいいかアドバイスしてもらえます。テレビのCMでよく出てくるからとか、友人が飲んでよく効いたと言っているなどの情報で購入するのは良い買い方とは言えません。
単に胃の薬、風邪薬と言っても、症状に応じて適用される薬の成分は違いますし、同じ成分でも特徴もありますので、是非相談の上購入してください。
購入する薬が決まりましたら、外箱の表示で有効期限や注意事項などを確認し、飲み方や食事などについての説明もしてもらってください。その際、医療機関で薬をもらって飲んでいる場合は、必ずそのことを告げてください。飲み併せのチェックをしてもらえます。