災害対策

災害発生時には、都道府県や市町村が主体となり、医療を含む被災者への支援が行われます。高知県薬剤師会は、これに連動した救援活動が行えるよう体制を整備するとともに、行政の指示系統が機能しなくなった場合にも自主的に活動が行えるように、日ごろからさまざまな取り組みを行っています。

  1. 災害時医療救護計画・マニュアル等
  2. Genki Dayo Sysem(高知県薬剤師会安否確認システム)
  3. これまでの取り組み
  4. 各支部の取り組み
  5. 過去の事例・通知
  6. リンク集
1.災害時医療救護計画・マニュアル等
 

    【改訂版】薬剤師のための災害対策マニュアル 令和5年度厚生労働省科学研究

   高知県薬剤師会薬局・薬剤師の災害医療救護活動マニュアル             

  高知県災害時医療救護計画に関すること | 高知県庁ホームページ  

    高知市災害時医療救護計画 - 高知市公式ホームページ 
    薬局事業継続計画(BCP)策定のお願い(会員サイト

 

2.Genki Dayo Sysem(高知県薬剤師会安否確認システム)

 高知県薬剤師会では、地震・台風等による緊急事態が発生した場合に、会員及び職員の安否をいち早く確認し、薬局業務・病院業務等の早期の再開や薬剤師会の活動を支援することを目的に、令和元年度に、Genki Dayo Systemを導入しました。

このシステムは、地震や津波などの災害時に、登録者に安否等を確認するメールを一斉配信し、登録者が返信するものです。集まった情報は、薬剤師や医薬品の支援へとつながります。また、発災後の薬剤師会からの安否確認以外にも、登録者への周知・伝言のツールとしても使用予定です。

携帯、スマートフォン、ノートパソコン等で登録しますので、インターネット環境があれば、いつでもどこでも操作が可能です。また、高知県薬剤師会では、Genki Dayo Systemを使用した安否確認訓練も行っています。

会員の安否をスムーズに確認するため、高知県薬剤師会員の方はシステムへの積極的な登録をお願いします。

 

3.これまでの取り組み
 
災害対策特別委員会ワーキング

高知県薬剤師会では、災害対策委員会の承認のもとワーキングを立ち上げ、県薬での災害対応の検討(BCPやマニュアルの更新)や研修・訓練の企画・実施を行っています。

令和2年度には、災害時に災害対策の県薬支部を立ち上げるために必要な最低限の資材と手順をまとめた「災害BOX」を各支部に配置しました。

 

4.各支部の取り組み

 
香長土支部
 
香長土支部は、平成23年11月4日に、高知県中央東福祉保健所管内の各市町村との間で、災害時の医療救護活動及び医薬品等の供給に関する協定を結びました。協定では、東日本大震災のような大規模な災害が発生した場合に、薬局薬剤師が予め保管していた医薬品を近隣の医療救護所へ持参し、必要な医療救護活動を行うことを定めています。(資料1参照)

協定締結後も、日ごろから各市町村と顔の見える関係づくりを行うとともに、協定を実効性のあるものにするために、市町村が実施する防災訓練等への参加、必要に応じた災害用保管医薬品リストの見直しなどの取り組みを継続して行っています。(資料2参照)

         医薬品リスト様式はこちら(会員サイトに掲載)

 

5.過去の事例、通知

 ◆災害時の薬事関連業務◆

平時に法律で禁止されていることも災害時に国から交付される通知により、やむを得ない措置として行われることがあります。災害時だからといって法律を守らずに行動しても良いというわけではありません。災害時も薬剤師として法律に基づき、薬を必要とする患者さんに薬を届けられるよう専門性を発揮した対応が求められています。過去に国から出された通知は、災害発生時の被災地の状況により交付されたものであり、今後発生する全ての災害で適用されるものではないため、必ず確認をしてから行動を起こしましょう。

 災害処方箋とは

災害救助法の適用地域に投入された、DMAT、JMAT、日本赤十字社の救護班等が、所持している薬剤が不足している場合等に救護所、避難救護センター等の保健医療機関以外の場所で交付され、通常の診療報酬による支払いの対象とならない処方箋のこと。調剤所は救護所、モバイルファーマシー、保険薬局等で行われます。保険処方箋と異なり、記載する必要事項や様式が明確に定められていません。
「災害救助法適用地域における保険処方箋と災害処方箋の相違点 (令和元年10月24日更新)」日本薬剤師会事務連絡

(リンク)https://www.nichiyaku.or.jp/assets/uploads/news/20191024-02.pdf 

用語の説明

  • DMAT(Disaster Medical Assistance Team)

災害派遣医療チーム。災害時や新興感染症等のまん延時に、地域において必要な医療提供体制を支援し、傷病者の生命を守るため、専門的な研修・訓練を受けた医療チーム。

  • JMAT(Japan Medical Association Team)

日本医師会災害医療チーム。日本医師会により組織される災害医療チーム。

  • DPAT(Disaster Psychiatric Assistance Team)

災害派遣精神医療チーム。被災地域の精神保健医療ニーズの把握、他の保健医療体制との連携、各種関係機関等とのマネージメント、専門性の高い精神科医療の提供と精神保健活動の支援を行うため、都道府県及び政令指定都市のよって組織されるチーム。

  • モバイルファーマシー(Mobile Pharmacy)

薬局機能を搭載した災害対策医薬品供給車両。発電機や水タンク、保冷庫等を搭載しているためライフラインが途絶えた状況下でも自立して通常の調剤と医薬品の供給が行える。

 

過去の事例

  
被災者に係る被保険者証等の提示について 【医療保険及び診療報酬等】

 「令和3年7月1日からの大雨による災害の被災者に係わる被保険者証等の提示等について」

令和3年7月3日付 事務連絡

(リンク)https://www.mhlw.go.jp/content/10200000/000804031.pdf

被災に伴う保険診療関係及び診療報酬の取扱いについて 【診療報酬等】
:保険者番号等の記載がない処方箋、保険医療機関の記載がない処方箋、災害処方箋等

「令和元年台風19号に伴う災害の被災に伴う保険診療関係等及び診療報酬の取扱いについて」

令和元年10月15日付 事務連絡

(リンク)https://www.mhlw.go.jp/content/10200000/000557384.pdf

被災者に係る一部負担金等の取扱いについて   【診療報酬等】

「令和元年台風第19号に伴う災害の被災者に係る一部負担金等の取扱いについて」
令和元年10月18日事務連
(リンク)https://www.mhlw.go.jp/content/10200000/000558841.pdf

処方箋医薬品の取り扱いについて【医薬品医療機器等法:医薬品の取り扱い】
「平成28年熊本地震における処方箋医薬品の取扱いについて」
 平成28年4月19日付 事務連絡

病院、診療所、薬局又は地方公共団体の間での医薬品の融通について 
【医薬品医療機器等法:医薬品等の融通】
平成28年熊本地震における病院、診療所、薬局又は地方公共団体の間での医薬品等の融通について」平成28年4月20日付け事務連絡

 

災害に伴う医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等に係る取扱いについて  【医薬品医療機器等法:法の取り扱い】
「令和2年7月3日からの大雨による災害に伴う医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等に係る取扱いについて」
令和2年7月6日付 事務連絡
(リンク) 
https://www.city.hiroshima.lg.jp/uploaded/attachment/119948.pdf

被災地において医療用酸素ガスボンベの代わりに工業用酸素ガスボンベを用いて医療用酸素ガスを供給すること等について 【医薬品医療機器等法:法の取り扱い】
「平成30年9月北海道胆振地方中東部を震源とする地震による被災地において医療用酸素ガスボンベの代わりに工業用酸素ガスボンベを用いて医療用酸素ガスを供給すること等について(医療機関及び製造販売業者等への周知依頼)」  平成30年9月6日事務連絡
(リンク)https://www.mhlw.go.jp/content/10600000/000354986.pdf

災害に伴う診療録等の文書の保存に係る取扱いについて 【医薬品医療機器等法:文書保存】
「令和2年7月豪雨による災害に伴う診療録等の文書の保存に係る取扱いについて」
                           令和2年7月22日事務連絡
(リンク)https://www.city.kochi.kochi.jp/uploaded/attachment/92194.pdf

文書保存に係る取扱いについて(医療分野)  【医薬品医療機器等法:文書保存】
「文書保存に係る取扱いについて(医療分野)」    平成23年3月31日事務連絡
(リンク)https://www.city.kochi.kochi.jp/uploaded/attachment/92195.pdf

医療用麻薬、医薬品である覚醒剤原料及び向精神薬の取扱いについて         【麻薬及び向精神薬取締法】
「令和2年7月3日からの大雨による災害に伴う医療用麻薬、医薬品である覚醒剤原料及び向精神薬の取扱いについて」         令和2年7月7日付け事務連絡

医療用麻薬の県境移動の取扱いについて  【麻薬及び向精神薬取締法】
「平成28年熊本県熊本地方の地震における医療用麻薬の県境移動の取扱いについて
~卸売業者、医療機関及び薬局への周知依頼~」 平成28年4月19日付事務連絡
<要旨>
早期に必要な医療用麻薬を補給できる様、県境を越えた麻薬の譲渡手続きを簡素化し、事前に電話連絡をした上で、譲渡後に許可申請書を提出することも可能とする旨都道府県等に連絡
(リンク)
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10600000-Daijinkanboukouseikagakuka/0000122303_1.pdf
医師等の保健医療従事者の派遣及び薬局における調剤に係る費用の取扱いについて
【災害救助法】
「平成28年熊本地震における医師等の保健医療従事者の派遣及び薬局における調剤に係る費用の取扱いについて」        平成28年12月27日付 事務連絡

情報通信機器を用いた診療(遠隔診療)等に係る取扱いについて      【その他】
「情報通信機器を用いた診療(遠隔診療)等に係る取扱いについて」 
平成23年3月23日 事務連絡
<要旨>
被災地の患者さんについて電話等による遠隔診療(薬剤の処方)を実施して差し支えない旨を周知。併せて、薬局においてはFAX等により送付された処方箋により調剤等を行って差し支えない旨を周知
(リンク)
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000015rt9-img/2r9852000001607e.pdf

リンク集

   薬剤師のための災害対策マニュアル |日本薬剤師会 (nichiyaku.or.jp)